この世には、不思議なことなど何もない。
何の意味もない存在自体に意味を持たせ、価値を見出す言葉こそ呪術だ。
そうして、わたしは言葉を纏う。
「指先に文学を纏う」展
-京極夏彦-
et seq.✕文喫の3回目となるコラボ企画は、初めて現代作品をテーマに、京極夏彦「百鬼夜行」シリーズの世界観を表現しています。
今回のモチーフに選んだのは『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』『鉄鼠の檻』『絡新婦の理』の5作品で、印象的なシーンや台詞を吟味して、色だけでなくポリッシュの質感までこだわって、作品に漂う妖しさをネイルに落とし込みました。
本当のあなたは誰なのですか。
私は何をすればいいのですか。
私はあなたに何をしたのですか。
本当を問うよりも、
この混濁に身を委ねて。
見たい。匣の中が見たい。
私の中の魍魎が、動いている。
蓋を開けたら戻れない。
私という匣に巣食う、この欲望の果て。
ならば人は、人の本性は、
骨にこそ宿っているの
でございましょうか。
何もかも、夢のようだった。
何もかも、夢ではなかったのだ。
悟りは脳の外にあると云う。
思い出は檻の中にあると云う。
この囲いが世界の凡てだった。
束縛も自由も、
指先の石ひとつで世界は変わる。
凡ては神の意志に因る、
残酷な偶然の悪戯。
蜘蛛が巣を張るかのように、
朧げな偶然と偶然の
点と点を線で結ぶのだ。
必然とは、美しくつながっただけの偶然。
操りたい。操られていたい。
Exhibition Highlights
文喫 六本木
文喫 福岡天神
文喫とは
幅広いジャンルから一点一点選んだ約三万冊の本を販売します。
一人で本と向き合うための閲覧室や、複数人で利用可能な研究室、小腹を満たすことができる喫茶室も併設しています。
なかには普段あまり出会うことができない、個性的な本が目を引き、来店されたお客様の新たな興味の入り口となります。
また、企画展も定期的に開催します。